ヒトは各々の遺伝子が、次世代に自分のコピーを伝えやすいように、偏りになっている。行動経済学もそれを認知心理学した。

人は実在を認識できる必要はない。生きてゆければ、その実在が展開されていることになるだけの環境世界(知覚世界)である。

だから人は「時間の始まり」(デリダ氏・ドゥルーズ氏の無起源論)も「宇宙の果て」(複素解析・超弦論という多世界解釈)もイメージできない。しかしその代わりにいまも狩猟採集時代の反応を大切に記憶している。マーフィーの法則は、「悪いことは単なる偶然で起こる確率以上に頻繁に起こる」と表現するが、それはヒトが良くないことを実際以上に起こりやすく感じる不安心理傾向を持つクセがあるからだ。

しかしこの通常確率より少し高い「危機・危険」意識こそ、迷信であれヒトの命を守ってきたのである。終末論やローマクラブ報告は今でも事実より先に人類のために「少し高い危機確率」を示してきたのである。そしてこの事前準備や構えは、こうして「手遅れ」を免れてきたのである。

 

参考

「ヒトの脳にはクセがある 動物行動学的人間論」  小林朋道 著