法の動態

本書等では、「愚民観」を鳥瞰する。

 

給与所得者における源泉徴収制度と年末調整の組み合わせは「愚民政策」である。国民が理解を放棄してしまうからだ。手続法が中抜きされているから、課税当局との接触を持てない。義務がすべて公法上にあるということはつまり、納税義務者は国を相手に訴えを起こすことができないことを意味する。

 

太田勝造氏の「法を創る力としての国民的基盤 震災報道と原子力賠償を例として」という論文のなかでも、愚民観の分析がなされている。事故当時、曖昧化され、危険性が日本では割り引かれたような報道の仕方がなされため、国民の不安はより募り、国民としては欧米のメディアにアクセスしなければ日本の事情が分からないという皮肉な事態だ生じていた。

 

リスク割引(直接の危険・財政赤字等の)に対し、愚民観はいかに対応してきたのか?本当に安全な行動がとれるのか?

 

「国民的基盤」が今後法「動態」の担い手にならねばならないことが本書等では示されている。

 

 

参考

「タックス・イーター 消えてゆく税金 」  志賀櫻 著

岩波講座現代法の動態5「法の変動の担い手」 長谷部恭男 他編